秘密保持契約書は、経営情報・技術情報・顧客情報などを他業者へ開示する際に、第三者への情報漏洩や不正利用を防ぐために交わす「NDA」のことです。NDAは秘密情報の定義や秘密保持義務について協議しなければならないため、契約締結には時間を要します。電子契約を用いて少しでもスピーディーな契約締結を目指しましょう。ここでは秘密保持契約書の電子化による利点を紹介します。
さまざまな契約の電子化が進む中、秘密保持契約書も例外ではありません。NDAも電子契約で締結をすることがとても多くなってきました。
秘密保持契約書は定型的な文書であり、あまり変わった内容は含まれていません。簡単にいうと、取引や商談で話す内容は、第三者に伝えないようにしてください、違った目的で使用しないでください、というような内容を記載しています。業種や取引ごとの内容の違いがあまりなく、電子契約に移行しやすいことから他の書類の電子化よりもハードルが低いようです。多くの業者が電子化に取り組んでいます。
NDAは商談や打ち合わせで自社情報を開示するとき、商談成立後に取引を開始するとき、資本提携や業務提携を考えるとき、共同で制作・開発をするときなどが一般的です。どの場合においても、自社情報や技術情報・経営情報など自社の大切な情報を提示するため、漏洩や不正利用・損害発生の防止などを目的としてNDAを締結します。
商談をする前や取引の提携を検討するときなどに取り入れることから、NDA締結で時間がかかるとその後のスケジュールにも影響が出ます。NDA締結が期日までに行えなければ、取引や提携が先延ばしになってしまう…というケースもあり得ます。電子化によってスピーディーに秘密保持契約を行うことで、その後の取引もスムーズに進められるでしょう。
電子化は秘密保持契約がスピーディーに行えるから取り入れたいと考えるものですが、電子化をするためには少し時間がかかります。電子化した書面に問題はないかどうか、相手側にきちんと伝わるような電子化ができているかどうか、相手もスムーズに電子化へと対応できるようにサポートできるかなど…クリアしていかなくてはいけない課題はたくさんあります。
電子化するまではやることが多く手間に感じるかもしれませんが、その後の手間を省くために手を抜いてはいけないポイントです。
電子化への移行当初だけ時間をしっかりと割き、電子化の体制づくりに取り組みましょう。
秘密保持契約書のみならず、契約書はお互いの合意の上で取り交わすものです。電子化に関しては、業者や個人によって考え方が異なります。電子化にも問題なく対応している業者もあれば、昔から紙の契約書で取り交わしていたから紙で契約をしたい、というような業者もあるでしょう。電子化での契約は、相手の了承を得たうえで行う必要があります。