電子契約サービスを導入したとして、実際に使っていく中で他社サービスや他の電子契約形態に乗り換えたいと考えることもあるでしょう。このページでは、電子契約サービスの乗り換えについて注意点や手順をまとめました。
現在利用している電子契約サービス会社から、他の電子契約サービス会社へ乗り換える場合、以下のような手順に従って進める必要があります。
現在すでに利用している電子契約サービスがある場合、そのサービスの契約期間や解約に伴うルールなどを最初に確認しなければなりません。
例えば現在の契約が年間契約になっている場合、途中解約が難しく、契約途中に他社へ乗り換えると二重で利用料金を支払わなければならない可能性もあります。
基本的には契約期間の満了する時期に乗り換えるといったスタイルが賢明です。ただし、あえて契約途中で新しい電子契約サービスを利用して、運用の問題がないか試してみるといった選択はあるでしょう。
新しい電子契約サービスへ乗り換える場合、既存の電子契約サービスを解約する前に、サーバへ保存されている電子契約関連の書面などをダウンロードして自社で管理しなければなりません。
解約後はサーバへアクセスできなくなり、契約書などを保存することが難しくなる場合もあります。
新しい電子契約サービスを利用するとして、それが従来の業務フローと比較して本当に使いやすいかどうか事前にチェックすることも大切です。
可能であれば本契約の前にトライアル版などを使ってみて、使用感や従来のサービスとの違いなどをチェックしておきましょう。
新しい電子契約サービスの使用感や契約内容に納得すれば、改めて電子契約サービスを乗り換えて新しい体制で業務をスタートさせます。そして、その際には以前の電子契約サービスからダウンロードして保管していたデータを、改めて新しい電子契約サービスにアップロードしてインポートしておくことも必要です。
なお、電子契約サービスによっては外部からの書類のインポート機能を搭載していないものもあるため、その点もトライアル利用時に確認しておくことが賢明です。
新しい電子契約サービスへ移行して問題なく業務が稼働したことを確認してから、以前の電子契約サービスを解約します。
解約のタイミングによっては1ヶ月分の追加費用が余分にかかってしまうといったこともあるため、乗り換えの時期などは早めにチェックしてスケジュール管理を行いましょう。
電子契約サービスを現在のものから新しいものへ乗り換えようと考えるのは、どのような時が適しているのでしょうか。
電子契約サービスに限らず、使用しているサービスの利用料と提供されているサービス内容が見合っていないと感じれば、当然ながら他のサービスを検討することが必要です。
また、料金の単価や金額については不満がないものの、契約期間が年単位や半年単位といった長いものに限定されており、自由度がないと感じられたような場合も乗り換えを検討するタイミングかも知れません。
シンプルに、利用中の電子契約サービスの操作性やUIが悪いというケースも考えられます。
操作法が分かりにくかったり、作業に手間がかかったりする場合、単純に作業者の業務負担が増えるだけでなく、契約を締結する上で深刻なヒューマンエラーを発生させてしまうリスクも増加します。
そのため安心安全に活用できる新サービスへ乗り換えることは賢明と言えるでしょう。
サービスを利用する中で疑問点や不明点が生じた際、サポートセンターや相談窓口に連絡してケアしてもらうことは珍しくありません。言い換えれば、サポートスタッフの対応が悪く、きちんと疑問や不安を解消してもらえない場合、よりサポートサービスやアフターサポートがしっかりしている電子契約サービスへ乗り換えることも重要です。
電子契約サービスの中には、法改正や新法に対応していないものもあるかも知れません。特に電子帳簿保存法といった電子書類の管理などに関連した法律は重要であり、電帳法に非対応の電子契約サービスを利用している場合は乗り換えを考えることが必要です。
電子契約サービスでは、サービス提供者が管理しているクラウドサーバへ重要なデータを保存しており、そのセキュリティ対策は契約の信用性や事業の信頼性を左右する要素です。そのため、サービス提供会社などにトラブルやセキュリティインシデントが発生し、セキュリティ対策の面で不信感やリスクを抱いた場合、より安心感のある電子契約サービス会社へ乗り換えることは不思議でありません。
現在に利用している電子契約サービスに不満がなくとも、より良い電子契約サービスを見つければ、乗り換えを検討しても良いでしょう。
ただし、1つの面で良いと感じられても、総合的に見れば現在の方が良いという可能性もあります。そのため実務を考えて総合的に比較検討する冷静さが肝要です。
企業として将来に向けた事業戦略などを見直した際に、例えば立会人型の電子契約サービスから当事者型の電子契約サービスへ乗り換えるといったパターンも想定されます。
新しい電子契約サービスへ乗り換えることを検討する上で、どのようなポイントに注意してチェックすれば良いのでしょうか。
新しい電子契約サービスへ移行すれば、それがどれほど使い勝手の良いサービスであっても慣れるまで相応の使いにくさや違和感は生じて然るべきです。そのため、可能であれば事前にトライアル版などを利用して、使用感や作業の流れを確認しておくようにします。
また、契約プランや利用の規模などによって料金が無料という場合もあり、そのような際にはまず無料プランやフリープランで試してみることも大切です。
新しい電子契約サービスへ移行して、何かしらの疑問点や不明点が生じた際、サポートスタッフが的確かつ迅速に対応してくれるかどうかは製品選びの重要ポイントです。
そのためサポート体制やサポートスタッフとの連絡の仕方なども事前に確認しておきます。
電子契約サービスを利用する中で、多くの電子契約書やデータをクラウドサーバへ保存していくことになるでしょう。そのため、いつか電子契約サービスを解約するとなった際、それらのデータがどのように扱われるのかは必ず確認しておかなければなりません。
特に、解約後もサーバへアクセスして必要なデータをダウンロードしたり保存したりでいるのか、それとも解約後はサーバへのアクセスが不可能になって自社の電子契約データもダウンロードできなくなってしまうのか、必ず事前にチェックしておきます。
特に、電子契約書などの保存については電子帳簿保存法によって義務化されており、データの保存・管理ができなくなれば法律違反になってしまう恐れもあります。
電子帳簿保存法では単にデータを保存するだけでなく、検索性などに関する要件も定められており、電子契約サービスが電子帳簿保存法の求める要件に対応しているかどうかもチェックポイントです。
自社の事業戦略やコスト削減の具体策として、電子契約サービスの契約内容や費用を見直して、新しい電子契約サービスへ乗り換えを検討するといったことは大切です。
ただし、新しい電子契約サービスへ乗り換える場合でも、様々なポイントを事前に確認して、問題がないと認められた上で乗り換え手続きを進める余裕も欠かせません。
事前にチェックすべき要点を把握した上で、自社のニーズにマッチする電子契約サービスを考えていきましょう。