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見積書は電子化がおすすめ!メリットや電子化のポイントを解説

契約締結のために重要な見積書は、契約書同様、法律によって一定期間の保存が義務づけられています。

大量の見積書を長期にわたって保存すると大きなコストがかかりますが、電子化すれば大きくコストを削減できるでしょう。

見積書の電子化の状況やメリット、注意点、そして電子化の進め方について解説します。

見積書の電子化の状況

まずは現在の見積書の電子化の状況を解説します。

法改正により電子化が容易に

見積書の電子化自体は、実は以前から可能でした。

ただ、紙で受け取った見積書をスキャナで電子化するには不正防止のための適正事務所処理要件と呼ばれる厳しい要件が定められており、社内に厳格な管理体制を敷かなくては電子化できず、あまり普及していなかったのが現実です。

しかしながら、2022年1月の改正電子帳簿保存法の施行によりこの適性事務所処理要件が撤廃され、多くの事業者においてスキャナによる電子保存がかんたんにおこなえるようになりました

後述の通り見積書の電子化にはさまざまなメリットがあるため、今後は急速に電子的な見積書に置き換わっていくものと考えられます。

保存期間は変わらず5年〜10年

電子化の規制が緩和されたものの、見積書の保存期間は変わっていません

保存期間は個人事業主の場合5年(所得税法、消費税の課税事業者の場合は7年)、法人の場合7年(法人税法、欠損金が生じた年度は10年)です。

取引を多くおこなう事業者の場合、これだけの期間見積書を保存しなくてはならないとなるとかなりの量の見積書を保存することになります。

ただ単に保管場所を用意するだけでも一苦労ですし、そのなかから必要な見積書を探し出したり、保存期間が終わったものを抽出して捨てたりするのには人的リソースが多く必要です。

このため保存や検索、削除が容易な見積書の電子化が注目されているといえます。

見積書の電子化のメリット

見積書を電子化するとさまざまなメリットが得られます。それらについて解説します。

保管や管理が楽になる

先述の通り、見積書を電子化すると保管や管理が楽になります。このメリットは国税関係帳簿書類の意味での保管や管理だけにとどまりません。

現在進行中の見積書の参照や過去に交渉がおこなわれた見積書が必要になった際、紙で保存すると所望のものを見つけ出すのに苦労しますが、きちんと整理された形で電子化されていればキーワードなどでかんたんに探し出せるでしょう。

無駄な時間を減らし、業務をより効率的に進めることが可能です。

人的ミスや災害に強い

電子化のメリットとしてはほかに、人的ミスや災害に強いという点が挙げられます。

人間は誰しもミスをするものであり、ときにはまだ保存が必要な見積書を捨ててしまったり紛失してしまったりすることもあるでしょう。電子化されていれば誤って消したデータを復元可能ですが、シュレッダーにかけたりゴミ収集に出したりした紙の書類の復活は困難です。

消してしまわないまでも紙の見積書の保管場所を間違えるなどすると混乱が生じるでしょうが、電子データであれば保存場所を間違えてもある程度は検索機能で対応できます。

また、洪水や火災などの災害が起こった場合でも、データのバックアップが他の場所にあれば容易に復元できるため、電子化された見積書はさまざまな意味でリスクに強いといえるのです。

紙に必要なコストを削減できる

見積書を紙で保管する場合、さまざまなコストが必要になります。たとえば紙やインクの購入費、プリンタの利用費、送料、保管場所の利用費などです。

見積書を電子的な形で保管すればこれらのコストがいらなくなり、業務の低コスト化につながります

先述の保管や管理が楽になるという点も、人的コストが削減されるといえるでしょう。

見積書の電子化の注意点

見積書の電子化はよいことばかりではありません。電子化する際の注意点を解説します。

正しい知識を持って運用する必要がある

さまざまなメリットがある見積書の電子化ですが、それらは正しい知識を持って運用した場合のみ享受できます

たとえばバックアップを定期的に取らなければデータの消去や改変に対応できませんし、バックアップデータをオフィス内に置いておくと災害発生時にバックアップごとデータが消える可能性があるでしょう。

さらに近年はサイバー攻撃の脅威が増しており、セキュリティ対策に関する正しい知識も必要です。情報漏洩に関する社会の注目度は高く、サイバー攻撃で見積もり内容が流出する事態になると社会やクライアントの信頼を損ねかねません。

電子化には一定の要件遵守が求められる

電子的な書類は便利である一方、紙の書類よりも改変が容易という欠点があります。

このため見積書という重要な書類の電子的な保管にはタイムスタンプの付与、訂正や削除などの履歴の保存、入力者情報等の確認、検索機能の確保などさまざまな要件が定められています

これらは電子帳簿保存法で定められており、必ず守らなくてはなりません。

さらに電子帳簿保存法の改正により、電子データで受け取った見積書を紙で保管することが認められなくなりました。

これらの要件を理解し、要件に沿った運用ができるシステムを用意する必要があります。

電子化にはコストが必要

厳しい要件を満たす電子化システムを自社で用意するのは容易ではないことから、多くの場合他社が提供するシステムを利用することになるでしょう。

その場合、電子化のための初期費用やランニングコストが発生することになります。

高機能なシステムほど便利な機能が備わっていますがコストも高いものです。自社が必要とする機能を明確化し、削減可能なコスト見積もりとあわせて最適なシステムを選ばなくてはなりません。

見積書の電子化を進めるときのポイント

見積書の電子化で重要なのが、電子的な契約書類を管理するシステムやサービスの選定です。

しかしながら、世の中にはさまざまな電子帳簿管理システムが存在しており、そのなかから信頼できるものを探し出すだけでも一苦労ではないでしょうか。

そんなときには「JIMA認証」が役に立ちます。これは公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が、電子帳簿保存法の要件を満たしていると判断したことを証明するものであり、電子帳簿保存法の詳細を深く理解していなくても、マークの有無で対応/非対応が判別可能です。

また、これからはリモートワークが当たり前の社会になるともいわれていることから、クラウド経由でアクセスできるシステムを選ぶとよいでしょう。クラウド型のシステムはインターネット経由でアクセスできるため見積書に関わる社員が出社することなく処理可能になります。

これは単に社員の働き方改革につながるだけでなく、たとえば出張中の社員が出張先から処理ができるなど、業務の効率化にもつながるでしょう。

まとめ

見積書は契約書と同様、長期間の保存が求められる書類です。特に多くの見積書を扱う事業者の場合、見積書の管理にすでに多くの人的リソースを費やしているかもしれません。

そんな事業者には見積書の電子化がおすすめです。電子化によりさまざまなコストを削減し、業務を効率化する効果が見込めます。2022年1月の法改正により導入の障壁が格段に低くなっており、今がまさに電子化のはじめ時といえるかもしれません。

ただ、メリットが多くある電子化だけにさまざまな企業がこの分野に参入しており、自社に最適なシステムを自力で探し出すのは困難です。「JIMA認証」の確認はもちろん、自社が必要とする機能を洗い出し、それらを満たしつつコストの低いシステムを絞り込んでいく必要があります。

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