心当たりのある場所を探しても契約書が見当たらない場合、紛失した可能性があります。紛失したことが明らかになったら、速やかに取引先へ伝え、誠意を持って適切に対処しましょう。
保管していたはずの場所に契約書がない場合、別の場所へ移動した可能性があります。心当たりのある場所などを想起し、再確認してみましょう。
単なる保管場所の移動なら問題は大きくなりませんが、もし契約書の置き忘れなどなどであれば、事は少し厄介。置き忘れの主な場所として、電車やタクシーなどの公共交通機関、他の書類のファイルの中、複合機の中や近くなどがあります。必要に応じて同僚の協力も得ながら探してみましょう。
再確認しても契約書が見つからなければ、紛失した可能性があります。のちに見つかるかもしれませんが、まずは紛失した可能性があることを上司等に報告し、関係部署で情報を共有しましょう。
契約書を紛失した状態のまま取引を続けた場合、何らかのきっかけで大きなトラブルに発展しかねません。紛失した事実を自分一人の中で抱え込まず、会社全体で共有して対策を考えることが大切です。
新たな契約書を取得した際、ファイリングして保管する前にコピーを取ることを習慣化している会社は少なくありません。また、稟議書や押印記録簿などの参考書類として、契約書のコピーを添付する例もあります。
契約書を紛失した場合には、今一度、契約書を取得してからのフローを確認し、どこかにコピーが残っていないかどうかを確認してみましょう。
新たな契約書を取得した際、コピーを取って別途で保管している会社もあれば、スキャンを取ってデータを保管している会社もあります。
紛失した本人は契約書のスキャンについて認識していなくても、総務部などの本人とは直接的に関係のない部署でスキャンデータを保管しているかもしれません。心当たりのある部署等へ連絡し、スキャンデータの有無を確認してみましょう。電子メールの履歴から添付書類もチェックしてみましょう。
契約書の紛失が明らかとなった場合の具体的な対処法を確認しましょう。
取引先の了承のもと、改めて正規の契約書を作り直します。自社の過失により契約書を紛失した以上、誠意ある姿勢で契約書の再発行を打診してみましょう。
契約書の再発行について、取引先が強く拒絶することは考えにくいのですが、契約内容の交渉を持ちかけられる可能性があることは了承しておきましょう。
また、改めて作成する契約書の日付は過去にさかのぼらず、改めて作成する日の日付を記載します。もし過去の日付を記載したい場合には、「契約の遡及適用」に関する文言を付けておきましょう。
自社で保管していた契約書のコピーを有効な契約書とする場合、または、取引先が保管している契約書のコピーを取得して有効な契約書とする場合、そのコピーを法的に有効な謄本にしておきましょう。
謄本とは、原本に記載されている内容をすべて写したコピーのこと。謄本には「正本」「認証のある謄本」「写し」の3種類があり、これらのうち「正本」と「認証のある謄本」は、裁判において概ね原本に準じる効力を持ちます。
正本とは、権限のある者によって作成された謄本のこと。認証のある謄本とは、権限のある者が原本と同一の内容であることを認証した謄本のこと。写しとは、単なるコピーのこと。大事な契約書の謄本を保管する際には、正本または認証のある謄本を保管しましょう。
万が一のトラブルに発展した際、法的な効力の強さを考慮すれば、契約書の原本、契約書の謄本の正本、契約書の認証ある謄本を保管しておくことが大切です。
ただし、契約の内容自体が小さいもので、かつ取引先とのトラブルに発展するリスクも低いと判断されるならば、より簡単な方法で対処することも選択肢となるでしょう。
例えば、もし自社の中に契約書のコピーやスキャンデータが残っていれば、それらを原本の代わりに保管するのみ、という対処法です。裁判に発展した際には自社が不利になるかもしれませんが、そもそも裁判に発展するほどの大きな案件でなければ、業務効率を優先し、コピーを保管しておくだけで良いという現場判断も成り立つでしょう。
紙ベースの契約書の紛失リスクをゼロにすることは、基本的にできません。火災や自然災害、盗難、改ざんなどの恐れも常にあります。紛失しないよう細心の注意で保管すれば、その分だけ手間や時間がかかります。
もちろん、どうしても紙ベースでの契約書が必要なケースはありますが、そのようなケースでない限り、よりリスクが低く効率的に管理できる方法として、当サイトでは電子契約システムの導入を提案しています。ぜひ検討してみてください。