電子契約サービス53社からおすすめ3社を徹底比較 » 契約書に関する悩み » 契約書の保管方法

契約書の保管方法

契約書は自社の権利を主張するための大事な書類。万が一の訴訟が発生した際などに備え、原本を適切にファイリング・保管する必要があります。紛失・改ざんリスクを排除するためには、電子契約書への切替も有効な選択肢になるでしょう。

保管方法の種類

五十音順で保管する

契約サービスの大きな分類や企業名などについて、すべて五十音順を基準として並べて保管する方法。古くから一般的に行われている契約書の保管方法ですが、アナログな契約書の保管方法としては、現代でもなお広く採用されています。

社名の呼び方(株式会社を付けるか付けないか等)、アルファベット表記の取り扱いなどについて、一定のルールを設けて全体で共有する必要がある点に注意が必要。どのような契約書がどの場所にあるのかを手元でも確認できるよう、契約書の保管先一覧を作成しておけば検索がスムーズになります。

内容ごとに保管する

業務内容を基準に契約書を保管する方法。例えば、「設備関連」「システム関連」「通信関連」など、業務の種類ごとに大きく分類して契約書をまとめる方法です。

ただし、同じ分類に属する契約書が大量にある場合などは、さらに階層を細分化する必要があるかもしれません。大分類、中分類、小分類と段階に分け、さらに五十音順で並べるとより検索しやすくなるでしょう。

内容ごとに分類して保管する際も、保管場所の目安が手元で分かるよう一覧表を作成しておくと便利です。

案件ごとに分けて保管する

コンサルティング業務などのように1つの大きなプロジェクトが動くときには、プロジェクトの案件ごとに分けて契約書を保管する方法が便利です。

この場合、一般的には1つの案件の中に多くの契約が存在することから、案件内で大分類・中分類・小分類に階層分けをして契約書を保管するのがおすすめ。ただし、階層をまたいで同じ会社と交わした契約書のみを抽出する必要に備え、契約書の保管場所の目安が分かるようエクセル等で一覧を作成しておいたほうが良いでしょう。

日付や契約番号ごとに保管する

契約の内容ではなく、時系列を基準に契約書を保管する方法も多く見られます。例えば「契約の日付」「契約番号」「年度」などを基準に契約書を並べて保管する方法です。

人は、何らかの出来事の「内容」を忘れてしまったとしても、その出来事が起こった大まかな「時期」を覚えていることが多々あります。「具体的な内容は忘れたけど、確か去年の秋ごろの出来事だったはず」という具合の記憶です。この傾向を利用し、例えばパソコン等の端末内で情報を整理する人の中には、内容別ではなく時系列で整理する人も少なくありません。

ただし、時系列を基準に契約書などを整理した場合、その契約に関わった当事者以外には、なかなか該当の契約書を見つけにくいことも事実。五十音順などの別の方法も併用して、より検索しやすい仕組みにしたほうが良いでしょう。

保管する際のポイント

契約書の原本を保管する際のポイントとして、以下4点を確認しておきましょう。

分類可能なファイルを使う

契約書を保管する際のおすすめグッズが、ボックスファイルとインデックス付きクリアファイル。ボックスファイルにもインデックス付きクリアファイルにも、契約書の分類を記入できる部分が付いているので、例えばボックスファイルを大分類、クリアファイルを中分類などとして契約書を分かりやすく整理することが可能になります。

古典的かつアナログな保管方法ですが、迅速・正確に契約書を分類して保管する方法としては大変有効。100円ショップなどでも該当のファイルがたくさん見られることから、現在でもなお同じ方法で契約書等を分類・保管している企業は多いと考えられます。

原本廃棄や穴あけをしない

スキャンを取ってデジタル媒体に保管したとしても、契約書の原本は廃棄しないようにしましょう。万が一、契約書をめぐり裁判になった際、たとえスキャンデータが存在したとしても、原本を提示できなければ不利になる可能性があるからです。

また、契約書の保管プロセスで原本にパンチで穴を開けることは控えましょう。パンチで穴を開ける際、大事な文字や印影が欠落し、書類改ざんを疑われる可能性があるからです。

施錠できる場所に保管する

契約書の原本は、人が自由に取り出せる場所には置かないよう注意しましょう。基本的には施錠できるキャビネットや専用保管庫などに保管し、かつ鍵は管理職など一部の人のみが所有する形とします。

契約書は、自社の権利や相手方の義務、双方の請求権などを明記した重要な書類です。悪意ある者がこれを持ち出したり改ざんしたりしないよう、厳重に保管しなければなりません。

また、契約書が火災や自然災害などで失われないよう、防火対策・防水対策・水没対策がなされた場所へ契約書を保管することも基本です。

ルールを決める

契約書の取り扱いに関するルールを厳格に定め、かつルールを関係者全体で共有しましょう。誰が契約書の保管責任を負うのか、どのタイミングで誰が契約書を保管するのか、契約書を取り出すときはどのような手順を踏むか、などのルールです。

ルールを厳格化しておかなければ、いつまでも担当者のデスクの中で保管されかねません。管理の杜撰な担当者であれば、そのままデスクの中で契約書がしわしわになったり、紛失したりするリスクもあるでしょう。

契約書の原本は、自社を守るための非常に大事な書類です。適切に自社の権利を主張するため、契約書の取り扱いルールを厳格に決めましょう。

ファイリングして保管するデメリット

ファイル等を用いて契約書を保管する方法にはメリットもありますが、逆に以下のようなデメリットもあります。

手間がかかる

1つ1つの契約書を手作業で保管する必要があることから、担当者に一定の手間がかかることは避けられません。

ファイリングして保管する作業だけではなく、安全に保管を続けるための管理作業、必要が生じたときに過去の契約書を探す作業など、アナログでの契約書保管には様々な手間がかかります。

これらの手間が、担当者の本来業務を圧迫する可能性もあります。

保管スペースが必要

契約書を保管するためのスペースを確保しなければなりません。

自社のオフィス内に契約書を保管する場合、少しずつ増えていく紙の契約書にスペースを奪われて業務スペースが狭くなる恐れがあります。そのため別途で契約書の保管スペースを借りる必要が生じるかもしれませんが、その場合には賃料が掛かります。

紛失や改ざんのリスク

紙の契約書が物理的な物体である以上、火災・盗難・誤認廃棄など、何らかの理由で原本が無くなってしまうリスクが常にあります。また、悪意ある者が契約書を取り出せる立場にあれば、内容を改ざんされるリスクもあるでしょう。

契約書の紛失や改ざんは、自社の正当な権利主張を妨げる大きなリスク要因となります。

必要な契約書を探すのに時間がかかる

特定の整理方法にのっとって契約書を保管していたとしても、実際に特定の1枚の契約書を抽出する際には、ある程度の時間が掛かることは避けられません。

契約書の数は業務年数に比例するため、年数が経てば経つほど契約書が増え、探すための手間も時間もかかるようになります。いずれ、溜まりすぎた紙の契約書の処遇を考えなければならない日がやってくるでしょう。

電子契約書でリスクを軽減できる

紙の契約書を適切に保管するためには、関係者全体で一定のルールに従った保管方法を徹底する必要があります。ただし、いかに厳格なルールを作ったとしても、紛失や改ざんなどのリスクがゼロにはなりません。

一方で電子契約書ならば、紛失・改ざんのリスクは考えにくく、かつ特定の契約書の取り出しも容易。電子署名法では、本人による電子署名があれば紙の契約書と同様の効力を持つとされているため、自社の権利も守られます。

保管リスクや保管の手間を軽減するため、ぜひ御社でも電子契約書の導入を検討してみてください。